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30 JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト W受賞!(2)20190312

JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト W受賞!(2)

 第3学年の国際理解教育の課題として、JICA主催国際協力中学生・高校生エッセイコンテストに応募し、応募総数37,748点の中から、見事11期生から2名入賞しました。阿部さんが「国際協力特別賞」、廣田さんが「独立行政法人国際協力機構東京センター所長賞」を、それぞれ受賞しました。また、学校の取り組みとして「学校賞」も受賞しました。
 このコンテストは、国際社会の中で、日本、そして自分たちがどのように行動すべきか考えを深めることを目的とされています。今年度は、「世界の幸せのために私たちにできること」というテーマで募集がありました。
 今回は廣田さんの表彰の様子を紹介します。廣田さんは「私が投げる一球目」というタイトルで、寄付というものを“託す”という視点から捉え直し、遠い国の問題を身近なものとして手繰り寄せようと試みるものでした。自分の大切なもの、思い入れのあるものを相手に“託す”ことによって、本当の支援は、海の向こう側の相手を自分と同じ仲間だと感じることから始まるのだと廣田さんのエッセイは教えてくれます。先月表彰を受けた阿部さん同様、廣田さんも、世界の幸せとは他者を“認める”ことだと伝えています。
 今後とも、小石川の国際理解教育を通して、 “伝える”とはどういうことかを考えながら、目の前の課題や世界の問題を捉え直し、新しい価値観を創作します。そしてそれを発信することで、よりよい社会づくりに貢献していくことを目指していきます。
 

表彰の様子


表彰の様子


アフリカのフェアトレード製品”バナナペーパー”で作成された
ステッカーをいただきました


学校賞


学校賞


今後も世界の問題を捉え直し、新しい価値観を創作していきます


私が投げる一球目
 
 ニュースが世界を駆け巡る。誇張でもなく真に明日をも知れぬ紛争地帯の人たちを目にすると、正直、心を寄せる前に足がすくむ。気の進まない結婚のために学校を辞めなければならない女の子の話にも呆然とするばかりだ。今の時代の日本に生まれた幸運な自分がその人たちに何ができかるかと思っても、幾ばくかの思いつきの募金くらいのことしか浮かばず、自分で働いたわけでもないお金が果たしてどれほど彼女らの役に立つか正直想像はできない。
 そんな時知ったのが、使わなくなった野球道具を寄付するキャンペーンだ。様々な場所で集めて、発展途上国へ送るというのだ。
 野球少年にとってのグローブは、ただの道具ではない。大好きな野球をするための大切な相棒だ。いざというとき、自分と息がぴったり合うように手に馴染むようにし、いつも一緒に練習し、使い終われば汚れをとって油を引き、大切に手入れする。サイズが合わなくなったからといって、簡単に捨てられない特別なものだ。それを、届ける。それは少額のお金を送るのとは違う。それは送るのではなく、贈るであり託す、だ。自分はもう手が大きくなったから、硬式に変わるから、使えなくなった相棒を託すとき、単にお金を寄付するのとは明らかに違う本物の何かを込められる気がする。自分の相棒だったグローブと野球する誰かは遠い人ではない。すくんだ足は、一歩その誰かに近づく。
 先日U18アジア選手権で、アジアの国から来た選手達が、日本に大差でコールド負けしながらも、礼儀ただしく、生き生きとプレイしているのを見て、仲間だ、自分と同じ野球が好きな仲間だ、と感じた。今の自分の身の丈に合った「できること」は、遠い想像と少しの寄付ではなく、こんな風に、お互いを身近に感じられる形のものかもしれない、と思う。
 スポーツを代理戦争という人もいるけれど、同じスポーツを愛し、楽しむ者同士、真剣に競い合ったり、手を差し伸べ合うことで、国の枠を超えて、心を通わせお互いを仲間と認め合えたら、と思う。道具にその心を託すことで、今までは遠い世界だったものを身近に手繰り寄せていくうちに、徐々に出来ることを増やしていけたら、と思う。
 野球は大好きだが、私は、野球はしない。だから、譲るのはお小遣いで買った新品のボールになるが、ボールには他人行儀なかっこつけではない、私なりの気持ちをのせられる。
 さあ、キャッチボールを始めよう、と。
 
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